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ーロッパチェーンのSlonimチャイカ局をNELS Syitチェーンの第3の従局として組み入れることとなった。その結果バルチックにおけるカバー範囲が拡大することとなる。

これらの協定の当事者はこれらの計画を実行に移す段階では細部の詰めを必要とする項目が沢山あることを知っているが、しかし、ロランC/チャイカの組合せによる到達範囲の拡大を最終目標として達成することに硬い決意をしている。

 

地中海ロランCチェーン

 

現在(1997年)のところ、地中海ロランCチェーンの運用はこの地域における米国コーストガードによるロランC活動の閉鎖後は全く再開されていない。しかし、この地域に所在するすべてのロラン局は、何の故障もなくその姿を保っており、そのうちいくつかは限定された期間ではあるが特殊な目的の為に時々運用をしている。

地中海チェーンの再開に向けた努力は、ヨーロッパ連邦とIALAとの積極的な支持により、むしろ国際レベルで続けられている。目下の予想では、現在作成中の「ヨーロッパ電波航法計画」が発表されるのと並行して運用が再開される見通しである。

 

ヨーロッパ委員会

 

ヨーロッパ電波航法計画の草稿が暫く私の手元にある。会議に出席の皆様は、この計画が目指す基本原理を熟知しておられると思うし、そしてロランCがヨーロッパにおける将来の航法システムのミックスにおいて様々な用途に向けてひとつの役割を果たすことを信じている。NELSはヨーロッパの6カ国が協力しているシステムである。それらの各国はそれぞれ異なる理由でNELSに加盟した。

しかし、その共通目標はNELSを国際協定において指定された形状のもとに完成させることである。

その形状とは9局で構成するTOEコントロール方式による基礎的ロランCシステムである。ロランCサービスの提供者に対して政治的、技術的発展が、新たな側面と新たな機会を提供するようになるにつれて、方針の決定権者はむつかしい決定に直面することになる。それはヨーロッパにおけるロランCの将来が危険にさらされるかもしれない、現状維持の立場を捨ててシステムを未来に向けて飛躍させる為の決定である。

ERNPがまだ草稿の段階に過ぎないので、6カ国内のそれぞれの公式の電波航法政策は統一が取れていないということには注意を払っておきたい。それでも運営委員会は、非常に短い間に上記の通りこの重要な挑戦に対応した。しかし私の考えでは、ヨーロッパにおいてロランCを継続的に発展させる為には、その出発点となる基礎としてまだこれだけでは弱過ぎると思う。

NELSの比較的短い歴史の間にも重要な意志決定をする上で必要となる基礎的研究を予定した時間的枠組みの中で完了させることの困難きは実感している。ヨーロッパ委員会がその最も重要な役割を発揮できるのはこの分野である。即ち、国を越えた組織としてNELSを将来に向けて発展させ、ヨーロッパにおける複数のシステムのミックスにおけるひとつの構成要素として確立することである。私の希望では近い将来にヨーロッパレベル

 

 

 

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