一方ヨーロッパ委員会はこの開発に資金提供する上で協力してくれないかと相談を持ちかけられ、資金の都合もどうやらついたようである。そして今後2〜3週間のうちに実際に開発作業に着手する予定である。
NELSにおけるEurofixの実現
もう一つの重要な構想は、NELS内にEurofixを実現しようという原則的な決定である。EurofixはロランCのデータ通信能力を利用する新しいシステムである。
このシステムではディファレンシャルGNSSとロランCとを組み合わせ、その結果観察可能値(observables)の件数が増加する。
その意味することは、もし例えば3個の衛星と2つのロランCの疑似レンジだけしか得られない場合でもユーザーは依然として二次元の位置を計算できるということであり、これは両システムを個々別々に利用した場合には不可能なことである。EurofixはディファレンシャルGNSS校正だけを伝送する用途にも利用できるので、このモードを用いるとこのような校正をNELSの到達範囲全体に渡って提供することができる。ロランCの送信機と受信機の設計を僅かに変更するだけでEurofixの影響を全面的に獲得することができる。
Eurofixはヨーロッパの大学で開発されそしてNELSの作業グループがそれをNELSに持ち込むことによる経済的及び技術的影響を現在調査中である。NELSの運営委員会の指示に従い、NELS内にEurofixを実現する為の特別動議が提案されその提案は、今月末にオスロで行われる委員会の第12回会合の議題となっている。この会合では3段階による実現へのアプローチが提案される見通しである。まず第1段階では、Lessay、Sylt、Vaerlandet及びBφの各局が対象となり、Eurofixの到達範囲をNELS加盟国全部とその周辺水域に広げる。この段階は、決議が行われてからおおよそ12ヶ月以内に完了し、送信を開始できる見通しである。第2段階では、NELSの送信機全部とEurofixの中央コントロール局のEurofixが整備の対象となる。この段階における整備内容の詳細については、1998年の春に予定している第13回の運営委員会で詰めが行われる予定である。この段階は終了迄に15ヶ月間を要するであろう。第3段階ではヨーロッパ大陸全体とその周辺地域を地中海地域局とチャイカ局を用いてEurofixの到達範囲とする計画である。この段階の実施要領は後日、具体化されるであろう。
NELS情報システム
NELSではNELSとロランCの存在を潜在的ユーザーに知って貰う為の専門的広報活動の必要性を相当以前から強く感じていた。この広報活動の必要性に関する議論が、運営委員会の第11回会合でも、再び持ち上がりその結果、直ちに行動計画として検討されるべき項目として、その戦略文書に盛り込まれることとなった。
その行動の内容は、主としてマーケティングに関する計画であって、より具体的には、ロランCとNELSに関する事実に関わるデータを提供する小冊子、以前にIALAのチ