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NELSの現状

 

今ここにある最も重要な課題に話しを戻そう。

それはNELSが当初の設計通りに完成するのはいつのことかということである。このシステムは現在でもBφロラン局(CCBφ)と同じ場所に設置されたコントロールセンターから暫定的にコントロールされている。

そのコントロールの方法は米国のコーストガードが1995年迄同じ地域で用いていたシステム・エリア・モニターリング(SAM)というコンセプトに基づいている。

NELSのTOE(送信時刻)コントロールセンターはプレストに所在しているが(CCBrest)ここからのコントロールは開始したばかりである。そしてLessayチェーンがNELSの仲間に入り、このコントロール規約のもとにコントロールされる予定の4つのチェーンのうちの最初のチェーンとなった。CCBrestは残る3チェーンについても1998年の4月迄にはコントロールをするに至る予定となっている。CCBφは暫くの間、完全な能力を維持した状態で待機した後に、その任務を終了することになるであろう。NELSの国際協定においてはノルウェーは同国内に第2のNELSコントロールセンターを設立するオプションを持っているが、それにも拘わらずBφのコントロール機能が今後も維持される可能性は乏しい。

アイルランドのループヘッドに局を建設することに関しては、現地の同僚からの連絡によると、計画の許可に関する最高裁の公聴会の準備が行われており、アイルランド灯台局のコミッショナーに電波標識の運用を許可する新しい法律の制定に向けてその起草作業が終了した。ループヘッドからの送信はこの法案の議会による可決と最高裁の最終決定を待ってその約12ヶ月後に可能となるであろう。ウェールズのバンゴール大学と、ノルウェーのジオメトリクス社との協力のもとに、NELSはその到達地域の地図作成とASF校正の計算に関する4段階の計画を開始した。我々は現在、その第2段階でデモ段階と称される場面からの結果を分析中であって、その結論に基づいて、第3段階である生産段階への勧告が得られる。もしデモ段階が、うまく完了し、NELSの運営委員会が計画の継続を許可した場合には、ASF計測システムの製造と、ASFの計算データとモデルがスタートすることになる。

この方式は限定された地域のみ(海岸近く)の計測を行うが、この計測に基づいてNELS地域全体の校正データの計算をすることができる。受信機のメーカーがこのデータを手にすることができる迄には、後2〜3年を要するであろう。

 

NELSの時間コントロール

 

NELSの時間コントロール、即ち上記のTOEコントロールは、現地時間に比較した隣接の送信機からの信号の到着時間の計測に基づいている。システム内の全ての局からのこのような時間の計測を統合することによって各送信機の時計の時間のずれを正確に計算することができる。これをコントロールセンターが行う。コントロールセンターはこの情報を用いて各送信機の時計を互いに同期化するとができる。その結果、システムを構成する全ての送信機からのシグナルの送信時刻が同期化される。このシステムの時間は同時に

 

 

 

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