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5. 政策の策定に当たって、当委員会は、国際機関によって採用されている方法を大いに見習っている。

従って、IMOが現在、少なくとも2種類の異なる独立した測位システムの利用の必要性を認識し、そして、ロランC/チャイカチェーンが米国のGPS及びロシアのグロナス衛星システムと共にワールドワイドな電波航法システムの構成要素となり得るとみなしていることに注目している。

これらの見解は、将来のシステム構成を検討している他の組織、例えば英国航路標識当局やCISの国際航法会議あるいはlALAにおいてもほぼ全面的な支持を得ている。特にIALAは、ロランC/チャイカの組合せが地上にベースを置く航法施設として最も経済的であると考えており、ヨーロッパにおいてはオメガを終了させデッカを切り捨てる決定が既に下されていると指摘している。ヨーロッパの現状ではロランCは通常、航空用には用いられていない。

 

6. 当委員会では、現在、ヨーロッパの公的機関(特に閣議と議会)に提示する為に3種類の文書を準備中である。これら3種類とは、

 

(1)広範な到達距離を持つ、衛星及び地上の航法援助施設の今後の展開の戦略に関する文書(言い換えると、純粋にローカルなシステムは詳しい検討の対象とはならない。)

 

(2)地球規模の衛星航法システムの開発に関する行動計画。このシステムの中でヨーロッパ共同体は、ひとつの役割を果たすことを決定しており、そして既にGPSとグロナスシステムの機能向上という形で貢献を果たしつつある。この貢献によって、ヨーロッパ、北アメリカ、南アメリカの大部分、アフリカ及びアジアと西オーストラリアの大部分に渡る地域の衛星シグナルの精度、純粋性及び利用可能性が改善されると思われる。

 

(3)ロランCに関する報告

 

7. ロランCに関する報告書の中では、ヨーロッパの諸国の幾つかの国においては、最近になって自国領域内のロランC施設の改善に投資しているところが見られる一方、他のいくつかの国では既存施設の保守だけに止めたり、あるいは、施設の老化をそのままにしているところが見られることを指摘している。

 

8. 従って当委員会では将来の戦略を支持する為にはヨーロッパにおけるロランCの必要性の明確な評価を提案する必要性があると思っている。当委員会では現在、積極的に特にそのメンバー各国(それら各国はヨーロッパ全体にまたがるロランCのカバーを求めるならばその域内にロランC設置を避けられない各国である)との間で幾つかの選択肢について議論しており、そして現状で最もシステムが弱いとみなされる箇所(即ち地中

 

 

 

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