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国防省(DoD)とWAAS

 

FAAはDoDに対して民間航空用に2周波の割当を申請しました。現在GPS衛星は2つの周波数:LlとL2により情報の送信を行っています。L1周波数は軍事用と民間用(民間航空を含む)の両用に使用されL2周波数は軍事用専用に使われています。

 

FAAはGPS信号に歪みを生じる電離層嵐を理由に、L2または他の周波数が必要と考えています。もし2つの周波数を利用できればそれらの2つの周波数の代表的な特性を知り、三角法により信号補正を行うことができよう。

 

GPS衛星は地球上11,000マイルの軌道を回っています。GPS信号は大気の各層を通って航空機に到達します。大気層の1つが電離層であり、この層は地球上約30〜250マイル上空にあります。GPS信号が電離層を伝搬する間に信号に歪みが生じます。もし、その歪みが一定もしくは予想できればGPS信号を補正することができようが、その歪みは不規則で且つ予想できません。

電離層は太陽嵐や太陽黒点を含む多くの現象に影響されます。太陽嵐は太陽からの大規模なあるいは不規則なエネルギーの爆発による結果であり、太陽嵐は電離層にエネルギーを送りその結果GPS信号に大きな歪みを生じます。太陽黒点は太陽嵐としては理解されていない磁気嵐であるが、突如GPS信号に歪みを生じさせます。太陽黒点は11年の周期で発生します。次回太陽黒点が最大になるのは今世紀の終わり頃でその際GPS信号にどのような甚大影響を与えるか分かりません。

 

電離層で発生するGPS信号の歪みを適切に補正するためにFAAは第2の周波数を求めています。しかし、DoDは公聴会の場でDoDが第2の周波数を許可するかどうか考慮しているか証言する予定です。例え第2の周波数が与えられたとしてもその実施まで10年の年月を要するでしょう。その理由は新しいGPS衛星に載せることになるからです。

 

GPSとWAASの安全性

 

GPSとWAAS信号は電波妨害を受け得ます。それによりWAASシステムは部分的には全面的障害を受ける結果となり得るでしょう。「Aviation Daily」誌の1997年9月17日版によればロシアの会社Aviaconversiaが携帯用GPS妨害発生器を開発しています。それによればGPS信号を200キロの範囲に至るまで妨害を与えると伝えております。

 

この報告に対しFAAはこのようなニュースの重要さをさっと片づけてしまった。FAAのスポークスマンは、妨害器は“何も目新しいものではなく”、市場に何百台と出廻っていると述べました。さらにFAAはGPS又はWAAS信号への電波妨害は甚大な罰金刑と20年未満の入獄につながると強調しました。同時にまたFAAは既存の航法システム

 

 

 

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