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(b) 空気室をとめるボルトに作用する力

空気室は既存の防波堤灯台にケミカルアンカーで取り付ける。

ここで(a) の諸力が同時に空気室に作用したものとして、

(ア) ボルトに作用する剪断力及び引張力を計算し、かつ許容応力以下となるようボルトの径、本数を計算する。

(イ) 次にケミカルアンカーの付着力を考慮し、ボルトの取付ピッチがボルトの長さの倍となるボルトをリストアップする。

以上の計算により取り付けボルトを選定する。

 

剪断応力、引張応力の計算は次の通りである。

防波堤の90゚ の方向に作用する波力をFw,風荷重をFp、潮流力をFt、地震力をFe、これらの力の合計をFbとする。空気室の自重をW1、海面上昇時海水が海水が空気室天井に作用する力をFu、W1とFu−W1の大きい方の値をFcをとし、空気室に作用するこれらの力の合計をF,取付ボルトの有効径をd0(mm)、取付ボルトの本数をnとするとき、

FA=√{Fb2+Fc2} (kgf)

であるから、取付ボルトに作用する剪断応力τは、

076-1.gif

となる。

次に引張応力σ1について考える。

今、図-4.44の通りFw、Fp、Ft、Feが壁よりr/2の位置に集中作用し、(これらの力の合力をFBとする)それを両側の合計n本のボルトで支えているとする。

左側の1本のボルトに作用する力をFL、右側の1本のボルトに作用する力をFRとすると、力とモーメントの釣り合いから

076-2.gif  076-3.gif

また、図−4.45の通りFcが壁よりr1離れた位置に集中作用し、このモーメントをn本の取付ボルトで支えているとする。但し、r1=2r/(2+π)である。最上位にある取付ボルトに作用する引張力をFd、最下位にあるボルトに作用する引張力を0、この間(距離 L0)において引張力が直線的に変化すると仮定すると、モーメントの釣り合いより

 

 

 

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