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(ii) 海面上昇時海水が空気室天井に作用する力Fu

防波堤の天端を越える波浪が空気室に作用するとき、空気室内部の海水も上昇し、天井に波圧が作用し、空気室は持ち上げられる力を受ける。この波圧は空気室没水部長での圧力P4に空気室断面積を乗じて求める。

持ち上げ波力をFuとすると

075-1.gif

である。

(イ)風荷重Fp

速度圧をq(kgf/?)とすると

075-2.gif

である。風力係数を円柱の場合0.7として、受圧面積をA0=2r・h0(?)とすると、風荷重Fpは

075-3.gif

となる。

(ウ)潮流力Ft

潮流力Ftは受圧面積A1とすると、次式で表される。

075-4.gif

Vは潮流速度(m/s)である。

潮流力は空気室没水部長dc(m)から空気室高さh0(m)まで空気室の全長L0(m)にわたって作用するものとして計算を行う。するとFtは次の通りとなる。

Ft=104.5・L0・r・V2(kgf)

(エ)地震力

地震力は港湾の施設の技術上の基準・同解説(社団法人 日本港湾協会)によれば、次の通り定めている。

固有振動周期が比較的短く減衰の大きい構造物に作用する地震力は、震度法によって算定するものとし、次式の力をその重心に作用させるものとする。なお自重は浮力を考慮しない。

地震力=自重×設計震度

設計震度は、地域別、地盤種別、構造物の重要度を考慮して次のように定める。

設計震度=地域別震度×地盤種別係数×重要度係数

地域別震度の最大値は関東、中部(いずれも一部地域を除く)等の0.15である。地盤種別係数の最大値は第三種地盤の1.2である。また重要度係数は、航路標識の重要度を考慮し1.2 とする。すると設計震度の最大は0.22となる。

よって浮力を考慮しない空気室の自重をW1とすると、地震力Feは

Fe=0.22・W1

となる。

 

 

 

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