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なっていた。写真4(中年者)、写真5(若年者)、写真6(高齢者)のすべてについてその様子がみられた。

 

2. 直立姿勢、長座姿勢の個人内での変化について

対象者各々についてそれぞれの姿勢における胸・腹部および背・腰部の型が変化している例を数え、表1には体操前後で姿勢に違いがみられた人数を示し、表2には「リラックス姿勢」と「意識姿勢」に違いがみられた人数を示した。その人数は「よい」ほうの型への変化があった場合とし、「よくない」ほうへの変化は( )内に示した。全年代をまとめて「よい」ほうへの変化をみると、体操前後の違いにおいては、長座位「意識姿勢」の胸・腹部で35名(78%)、直立位「意識姿勢」の胸・腹部で33名(73%)、長座位「意識姿勢」の背・腰部で31名(69%)の順で変化した人数が多かった。体操前後で姿勢の型が変化する人数については、直立位の背・腰部は変化しないが、他はすべて「リラックス姿勢」よりも「意識姿勢」での変化が多かった。「リラックス姿勢」と「意識姿勢」の型に違いがある例は、体操後の長座位における胸・腹部と背・腰部でともに43名(96%)ともっとも多く、次に体操後の腹立位の胸・腹部で39名(87%)であった。全体的に「リラックス姿勢」から「意識姿勢」への変化がある人数は体操前よりも体操後のほうが多かった。

直立位、長座位の胸・腹部の変化については、図3や図5でその型についてみた際には、体操後の「リラックス姿勢」は体操前よりも「よく」なっていたのに対し、表1のように個々人での変化をみると必ずしもその傾向にあてはまらない例もあった。体操後に「よくない」ほうへ変化する理由のひとつとして、体操後はうまく力が抜けているのに対して体操前では十分にリラックスできていなかったことがあげられる。体操することによってよりリラックスできるようになったこともひとつの効果であろう。しかし、リラックスできていること自体はよいことであるが、カが抜けていて胸を引いている状態よりも力が抜けていても抜けていなくても胸を張っているほうが、内臓を圧迫しないなどという点ではよいのではないだろうか。「意識姿勢」については、すべての変化が「よい」ほうへの変化であった。「リラックス姿勢」から「意識姿勢」への型の変化では、表2より、体操前後とも「よくない」ほうへの変化はなかった。

 

 

 

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