勢」では、すべての年代で体操前に若干名みられたD(大凸)型が体操後では0名になった。そして体操前ではC(小凸)型がもっとも多く、体操後ではB(平)型が多かった。このことは立位で上体を90°前傾している図1−?Bの姿勢についても同様で、写真5(若年者)の例では、体操前には丸かった背中が体操後には平らになった。写真4(中年者)の例では、体操前では「リラックス姿勢」から「意識姿勢」への変化がなく、丸い背中を意識的に伸ばそうとしても伸びなかったのが、体操後では変化があり、背中が平らに伸びていた。体操前にできなかった姿勢が体操後にできるようになることには、この軽体操による身体意識(筋の使い方など)の変化が関係していると推察できる。写真6(高齢者)の場合は写真5(若年者)の例と同様に、体操前後とも「リラックス姿勢」から「意識姿勢」への変化がみられた例であり、そして体操前後での違いも大きかった。背中を丸くして座ることは腰椎に負損がかかるので腰痛などの原因にもなるであろうし、意識して伸ばすことは必要であろう。長座姿勢は、直立姿勢とは脊柱形状と骨盤角度が異なるので、全く違った背・腰部の型となる。長座姿勢での注目すべき点は骨盤の角度で、それにより脊柱形状も変わってくると考えられる。骨盤を起立させて座れば腰椎を圧迫しない脊柱形状となる。今回は上後腸骨棘を含む5ヵ所にマーキングをして撮影したのだが、上後腸骨棘の床からの高さをみることにより、長座位で骨盤を起立させるのは難しい姿勢であることが観察できた。しかし体操後では多くの例において上後腸骨棘の位置が高くなり、つまり骨盤が起立し、それによって丸まっていた脊柱も上に伸びやすく