操前では「リラックス姿勢」、「意識姿勢」ともに胸を引き腹を出しているもっとも「よくない」d(凹凸)型であったが、体操後は腹を引いており、「リラックス姿勢」ではc(凹凹)型、「意識姿勢」ではa(凸凹)型へと変化した。体操前後とも「リラックス姿勢」では、どの年代においても胸を引いているd(凹凸)型やc(凹凹)型がほとんどで、「意識姿勢」では胸を張っており、体操前は腹を出しているb(凸凸)型、体操後は腹を引いているa(凸凹)型が増加した。直立姿勢との違いについては、若年者において直立位の際には「意識姿勢」をとるとc(凹凹)型は全くあらわれなかったのに対し、長座位では体操前後ともc(凹凹)型がみられた。そして、どの年代についても直立位よりも全体的に胸を張り腹を出しているb(凸凸)型が少なく、胸も腹も引いているc(凹凹)型が多くみられた。長座位で「意識姿勢」をとろうとすると上体が後ろに傾いてしまう人もいた。つまり、胸を張ろうとすると後ろに傾いてしまい、傾かないように気をつければ胸を張ることができない、といった様子であった。そして特に体操後では腹部にカが入っており、腹を引いているc(凹凹)型になると考えられる。
長座位、背・腰部の型については直立姿勢とは異なり、対象者が自分自身の長座姿勢の写真を見た感想においても、脊柱(背中)に注目したものが多かった。多くみられたパターンを写真5(若年者)の例で示すと、体操前「リラックス姿勢」では丸みの深いD(大凸)型、体操後リラックス姿勢」もD(大凸)型で、同じD(大凸)型でも背中の丸みは体操前のほうが深く、体操前「意識姿勢」では丸みの浅いC(小凸)型、体操後「意識姿勢」では平らなB(平)型であった。さらにこの例では両腕を挙上すると体操後では背・腰部にわずかながら反りがみられた。体操前後での違いについては、「リラックス姿勢」では体操後にD(大凸)型が減り、C(小凸)型が増加した。「意識姿