体操前「意識姿勢」では胸を張り腹を出しているb(凸凸)型、体操後「意識姿勢」では胸を張り腹を引いている(今回の分類ではもっとも「よい」としている)a(凸凹)型であった。b(凸凸)型とc(凹凹)型のどちらが「よい」かについては、今回は考えに入れなかった。シルエッターシステムを用いて判定した女性の姿勢について、肥満者は腰入姿勢が多く、減量すると正常姿勢になるという報告4)や、女子学生は腰入姿勢が多く、次に多いのは尻出他姿勢であるという報告11)があるが、この腰入姿勢というのは、今回の胸・腹部の分類でいえばb(凸凸)型に近く、体操前の「意識姿勢」にもっとも多くみられる型であった。今回の分類でのa(凸凹)型は先行研究4,11)での正常姿勢に近いが、体操前では非常に少なく、体操後ではその人数は増加した。体操することにより、一時的に正常姿勢が増加すると考えられる。どの年代も体操前後ともに「リラックス姿勢」よりも「意識姿勢」のほうが「よい」姿勢であり、「リラックス姿勢」ではd(凹凸)型がいちばん多かったが、「意識姿勢」では体操前ではb(凸凸)型、体操後ではa(凸凹)型が多かった。本研究でのd(凹凸)型は、先行研究11)でもっとも不良姿勢とされている腰入前屈型と似た形であった。今回の調査では、意識してよいと思う姿勢をとるだけで、もっとも「よくない」d(凹凸)型がほとんどなくなり、特に体操後では全くなくなった。姿勢に対する注意を与えることにより、意識的調整がおこなわれ、一時的に不良姿勢が減少すると考えられる。
直立位、背・腰部の型については、今回の調査では長座位でのアラインメントを基準に分類したので、直立位での背・腰部の特徴はあらわれなかっ