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を規定する要因、体育学研究、35:173-185, 1990

7) 伊藤豊彦:コーチの社会的勢力の効果に及ぼす個人特性の影響、体育学研究、39:276-289, 1994

8) 猪俣公宏たち:チーム心理診断テスト(SPTT)の標準化、平成3年度日本オリンピック委員会スポーツ医・科学研究報告NO.?V、チームスポーツのメンタルマネージメントに関する研究−第2報−:7-20, 1991

9) 長嶋安雄:中学生現場からの報告、(読売新聞文化部編)、学陽書房:171-222, 1981

10) 安藤清志:自己開示、対人行動の心理学(対人行動学研究会編)、誠信書房1240-246, 1986

11) Jourard. S. M. and P. Laskow:Some factors in self-disclosure, Journal of Abnormal and Social Psychology:56, 91-98, 1958

12) 柳原光:心の4つの窓、サイコロジ、1:6-11, 1980

 

3年間のまとめ

落合 優

 

平成6年度

学校運動部員の部活動への意欲とスポーツ継続意欲との関連

平成7年度

大学生における過去の運動部活動と現在のスポーツ参加状況との関連について

平成8年度

大学生における過去の運動部活動と現在のスポーツ参加状況との関連について−2−

中学・高校での運動部活動の意義のうち、生涯スポーツの基礎づくりという役割に注目し、3年にわたり中学・高校の運動部活動への意識とスポーツ継続意欲や実際のスポーツ参加状況との関連を検討してきた。

平成6年度では中学・高校の運動部員を対象に、平成7年度と平成8年度では大学生を対象に調査・研究を行った。この結果次の諸点が明らかになった。

(平成6年度)

中学生・高校生の部活動参加者が、将来スポーツを続けていくと感ずるかどうかに影響をもたらす条件の主なものは、?@部活動場面における積極的な自己認識、?A部活動における対人的な要因、?Bスポーツの楽しさ、?C部活動に対する感じ方や評価、?D向上の可能性であった。

(平成7年度)

高校の運動部経験への意識を主体とした調査では、過去の運動部活動への意識は、?@プレーや実力の向上可能性に関する自信や満足、?A課題設定や目標設定における主体性、?B運動部活動の楽しさと満足感、?Cチームとしての実力や機能への満足感、?D指導者の入間性や指導法、?E運動部内での人間関係、?F運動部活動に対する周囲の評価から構成されており、このうち、?@、?B、?C、?D、?Fが大学でのスポーツ参加状況と関連をもっていた。

(平成8年度)

中学の運動部経験への意識は、?@指導者の効果性、?A社会・心理的側面での充実感、?B技能や能力の側面での充実感、?C活動の主体性、?D部(チーム)への満足感から構成され、このうち、?@、?A、?B、?Dが大学での組織的なスポーツ参加と関連をもっていた。中学の運動部経験への意識を構成する要因は、高校での運動部経験への意識に比べて、大きなまとまりとなっていた。

指導者への意識では、指導者の効果性(どれほど部活動指導能力があるか)ばかりでなく、自己開放性(どれほど自己を開いて接するか)も、大学でのスポーツ参加状況と関わりを形成していた。

3ヵ年を通じて、中学・高校での運動部活動の経験そのものや、運動部活動への意識のあり方が、将来に向けてのスポーツ継続意欲や、大学における現在のスポーツ参加状況に影響を与えていることが明らかとなった。

また、運動部活動を考える上で重要なポイントの1つである指導者への意識の分析から、有能な運動部活動指導者であるばかりでなく心を開いた人間的な指導者であることが求められていると考えることができる。

 

 

 

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