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校生において運動後に高くなった。2)強度を漸増させる立ち幅跳びを行なわせ、下肢の筋活動変化をとらえ、等速の足底屈運動での筋の活動と比較した。その結果、運動強度の漸増に伴う筋活動の諸変化は、関節が可動域を越えないようにする対応と考えられる。3)野球の投球速度を徐々に高めていく過程での上肢および上肢帯筋の活動を調べた結果、投球速度の高まりは体幹に近い筋の活動レベルを高めることと主働筋の活動開始を早期化することで得られると考えられる。

 

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4. 吉田たちの報告について

吉田たちは中学生と高校生の女子バレーボール部を対象に、部活動時の運動強度、運動量、体力の関係を調べた。結果のあらましは次のようである。1)競技水準が一般的な中学校部員と高校部員の比較では、運動量においても体力的にも大きな差はなく、また、体力的には同年齢の標準的値とも違いは見られなかった。運動量が多くないので、バレーボールの技術練習のみでは体力全般を向上させる刺激としては十分ではないと考えられた。2)競技水準の異なる2高校の比較では、競技水準の高い高校の方が練習時間が長く、運動量は多かったが、運動強度は競技水準の低い方が高かった。また、体力に関しては、競技水準の高い高校の方が高かったが、その値は同年齢の標準的値に比べた特に高いものではなかった。

 

5. 田中たちの報告について

田中たちは中学生中長距離選手を対象に活動量と運動強度を調べた。結果は次のように示されている。1)中学生の練習時間は、別に調べた大学生選手に比べて、時間は短いが、大きな強度のトレーニング時間は長い。2)Monodたちの方法を応用してタイムトライアルの結果から求められるクリティカル速度の妥当性を検討したところ、それは最大乳酸定常の成立する走速度や血中乳酸濃度4mmmol/lに対応する走速度に近似した。

 

 

 

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