?−3 欧州の油防除資機材の現状調査
この度の補助事業は各種油防除資機材について、我が国の油流出事故の現状に即した海上災害防止センター独自の評価基準、性能試験方法等を検討・策定し、有効な情報を速やかに提供できるマニュアルを作成するものである。
このため、過去に大規模な油流出事故を経験しているイギリス、ノルウェーまた、油防除資機材を独自に開発しているスウェーデンを訪問し、各国の油防除に対する基本的な姿勢、油防除資機材の評価基準、性能試験方法等を調査するとともに、油防除資機材の開発状況、及びその経緯等について関係者と意見交換を行い、マニュアル作成に資するものである。
(1) 調査員(敬称略)
加藤 洋治(東京大学教授)
佐々木 朗(海上災害防止センター調査研究室主任調査研究員)
(2) 調査期間
平成9年9月15日〜9月25日
(3) 訪問先
1) イギリス(サザンプトン)
・ Oil Spill Response Ltd(OSRL;海上流出油対応会社)
・ Marine Pollution Control Unit(MPCU;海洋汚染対策班)
2) ノルウェー(ホーテン)
・ Statens Forurensningstilsyn(SFT)=State Pollution Control Authority(SPCA;国家汚染管理局)
(ベルゲン)
・ FRAMO社
3) スウェーデン(ヨーテボリ)
・ SWEDISH Coast Guard(コーストガード)
(4) 調査項目
1) 各国における油防除に対する基本的姿勢
2) 油防除資機材の技術基準・性能試験について
3) 型式認定制度の有無
4) 高粘度油の回収に対する各国の考え方
(5) 調査結果
1) 油防除資機材の基準、性能試験及び型式承認制度について
調査した3カ国とも物理的な油防除資機材に対する技術基準は無く、化学的処理薬剤についてのみ基準が制定されていた。
また、各国とも型式承認制度のようなものはなく、油防除資機材を使用する者が独自に性能を判断するということであった。
? 化学的処理薬剤の基準の有無