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(2) 供試油

供試油としてC重油 (JIS K2205 3種1号)を用いることとし、供試油の動粘度等の物性値は次の試験方法により求めた。

試 験 方 法試 験 結 果
動粘度:JIS K 2283に規定する試験方法・・・・8,390cSt(15℃)、172cSt(50℃)
比 重:JIS K 2249に規定する試験方法・・・・0.9708(15/4℃)
流動点:JIS K 2269に規定する試験方法・・・・0.0℃

計測した動粘度から図1-1に示す粘度・温度図表を作成した。また、舶査第52号の油吸着材性能試験基準の吸着量の試験において使用するB重油の一例(50℃において22.2cSt、33℃において47.5cSt)について、参考のために同図に記した。

(3) 吸油性能試験方法

高粘度に対する油吸着材の吸油性能に影響を及ぼす要因としては、油の粘度及び吸油に要する静置時間等が挙げられる。

このため、試験条件として試験環境温度及び静置時間を以下の検討のうえ決定した。

1) 試験環境温度(以下「温度」と言う。)

日本周辺海域の冬季の表面水温2)は、図1-2に示すように北海道太平洋側、オホーツク海を除き5℃以上であること。また、温度20℃以上での吸油量は、比較的短時間で飽和状態となることが文献等で判明していることから、吸油性能試験では温度を5℃、10℃、15℃とした。この各温度における供試油の動粘度は、図1-1粘度・温度図表からそれぞれ49,000cSt、17,000cSt、8,390cStとなる。

2) 静置時間

一般的に流出油防除作業における油吸着材の静置時間は5〜10分程度であるが、高粘度油では時間の経過とともに吸油量が増加傾向にあることが知られており、長時間静置した場合の吸油性能を把握するため、静置時間を10分、30分、60分、90分、120分の5種とした。

3) 計測項目

? 試験片1枚当たりの吸油量(g/枚)

? 単位重量当たりの吸油量(g/g)

? 単位容積当たりの吸油量(g/cm3)

4) 試験片の数

試験は2枚の試験片で同時に行い、それぞれの吸油量を求めた。

なお、吸油性能試験には次の機器等を使用した。

恒 温 器: サンヨー製インキュベーター MI-252 温度調整精度±0.2℃
上皿天秤: 島津製作所製 LIBROR EB-3200H 最小表示0.01g
金   網: 直径1?の針金をふるいの目の長さが17?のメッシュ状に編んだもの

(4) 試験結果

本試験方法は、舶査第52号に定められている油吸着材の吸着量の試験方法を参考として実施した。各供試体とも吸油量にバラツキがあったことから2片の吸油量の平均値を

 

 

 

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