男性の場合は7割に症状があります。尿道からの漿液性の分泌液や排尿時違和感などの比較的軽い症状が多いです。3割は無症状です。時に男性の場合は前立腺炎,副睾丸炎等を起こすことがあります。
また妊婦が感染していて,児に産道感染が起こり,生後まもなく児にクラミジア感染が発症することがあります。結膜炎や鼻咽頭炎,肺炎などです。また妊婦のクラミジア感染は妊娠の経過に悪影響を及ぼすことがあります。流早産や死産を起こす可能性があるわけです。現在,妊婦においてはクラミジア感染の有無のスクリーニング検査が広く行われています。もし陽性であればエリスロマイシンなどで治療をしています。
診断としては分泌液からクラミジア抗原を検出する方法があります。クラミジアトラコマーチスの血清抗体IgG,IgAを調べて両方陽性であれば,クラミジア感染があり,まだ未治療で活動性が高いと診断されます。治療すると,IgAは下がってきますが,IgGはずっと残ります。
治療はテトラサイクリン系が第1選択薬です。ドキシサイクリンやミノサイクリンです。それからマクロライド系も二次選択薬として,とくに妊婦に用いられます。また大切なことは患者の性的パートナーも必ず治療するということです。そうしないと治療しても再び相手からのクラミジアの感染が起こってくる可能性があるからです。
4.性器ヘルペス
ヘルペス感染は主にヘルペスウイルス2型が起こすといわれています。1型は主に口腔,口唇,口の周囲などに感染を起こしやすいのですが,2型は陰部に多いのです。痛みを伴った水疱性の変化,さらにびらんを起こして,かなりつらい症状です。これが問題になるのは再発を起こす可能性が高いことで,いったんよくなってもそのウイルスは消えないで,骨盤内の仙骨神経節などに潜むのです。そして身体の抵抗力が低下した