とに増量するのでは,患者の立場を理解していないといえるのではないでしょうか。毎日のように増量することを考えるべきで,これは実行できることと思います。
非常に強い痛みが長くつづいている場合には,一刻も早く痛みをとるということを最優先させます。そのためには多少の副作用を覚悟して,副作用を克服する態勢をとって,やや多めの鎮痛薬を一度に与えて,いったん痛みを消し,それから投与量を減らし,ちょうどいい量を求める方法をとるとよいと思います。
――医師に鎮痛薬治療の重要性を認めてもらうにはどうすればよいでしょうか。
最近,ある県の看護婦さんの集会で,こういう治療を医師に実施させるにはどうすればいいかという質問が出ました(笑い)。これを実際に広めていくのは,今日ここで私がみなさんに話しているように医師にアプローチするとよいでしょうし,同時に,一般市民にも知ってもらう必要があると思います。「あそこの病院へ行くと痛くて苦しいままにされるが,こちらの病院では楽にしてくれる」というように一般市民に知ってもらう必要もあります。痛み治療を広めていくには,看護婦はかなり大きな力をもっています。それには,みなさんが感じていることをうまく医師に伝えることが大切です。患者から言わせるのもいいアイデアです。「医師の協力をうまく引き出しなさい」と書いているのを読みましたが,これも看護婦の技量であるということでした。それには患者を自分の味方にするとよいと思います。
一緒にペアを組んでいる若い医師にだけはたらきかけるのではなく,その医師を監督している部長や医長にもはたらきかけること,婦長と力を合わせること,病院長を味方につけること,いろいろなレベルから努