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悩んでいる患者さんがきちんとした医療対応を受けていないことが多いことがわかります。

癌患者の痛みの治療法の主役は鎮痛薬であって,神経ブロックなど薬以外の治療法ではありません。鎮痛薬を適切に用いれば90%以上の患者さんの痛みを除去することができるからです。

どこにいる患者さんもこの治療法なら受けることができます。たとえ国際線の飛行機に乗っていても,鎮痛薬なら自分で飲むことができます。

改正された麻薬取締法では,癌患者が痛みのためのモルヒネをポケットに入れて日本を出入国する道を開きました。手続きなどは厚生省の麻薬課に問い合わせてください。余命の短い患者さんが,ハワイで楽しみたいという希望が叶えられるようにと,国内手続きと,先方の政府との交渉をスピーディに行ってくれます。

薬を処方することはどの科の医師にもできることです。しかも費用はあまりかかりません。

 

痛み治療目標の設定

 

どの方法を用いる場合でも,治療には目標が必要です。痛み治療の最終目標は,痛みが消えた状態がつづき,その結果,患者さんの生活内容が平常に近づくことです。段階的にこの目標に向かって治療を進めていきます。

●最初は,痛みに妨げられずに夜よく眠れるようにすること

●次いで,安静時に痛みを感じないですむようにすること

●最後に,身体を動かしても痛くないようにすること

痛みが消えると患者さんは明るい表情に戻ります。図8の患者さんは

 

 

 

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