せん。医師も努力し,看護婦もたいへん努力して得た成果なのです。痛みに苦しんだままの患者さんのケアよりも,痛みを取ることに努力し,痛みがなくなった患者さんのケアにあたるほうが自分たちの精神衛生上もずっとよいといって,私の病院の看護婦は医師に協力してくれました。そして患者のケアが非常に楽になったと評価しています。
痛みが発生したときには,必ず患者さんは痛みを訴えます。看護婦に伝えれば医師にも当然伝わるだろうと思っていますし,医師に一度痛いと言えば忘れることはないだろうと思っています。しかし,看護婦が医師に伝えても不十分な情報となったり,医師は一度言われても,次の回診では痛いと言われないと,もう痛くないと思ってしまうことなどがあって,痛み治療がなかなか始まりません。
痛みと心
痛みは身体的原因でおこりますが,不愉快な症状ですからいつも心に影を落とします。痛みがつづきますと,心はますます暗くなります。癌