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ライフサイエンスシリーズ「緩和ケアにおける症状観察とコントロール」

 事業名 保険医療に関する教育及び調査研究
 団体名 ライフ・プランニング・センター 注目度注目度5


2分と短く感じたそうです。傍に座るということは,「いまの私の時間をあなたに独占させる」ということを意味します。立っているのは,片足は患者さんのほうを向き,片足はドアのほうに向いているため,いつ去ってしまうかという不安を患者に与え,大事な話が引き出せなくなるのです。

痛みの治療について,病院の医師に質問してみました。A群は癌患者の痛みの治療に非常に関心が高く,医師と看護婦が痛みの問題についての院内教育をかなりよく受けている病院の医師です。B群はあまり関心が高そうもない病院です。どちらも立派な施設の病院です。

質問の一つに,「どの程度の鎮痛効果が得られていればいいと思いますか」というのがありました。A群では73%の医師が「次の投与時まで完全除痛が得られている状態」と答えています。ところがB群では同様の答えはわずか35%から得られたにすぎません。

「除痛は十分だと患者さんは言うけれども,少しは痛むことがあってもいい」という答えは,A群では20%以下ですが,B群では41%でした。

目標を高く掲げていると,成績はよくなりますが,目標を低く設定していると,治療成績不振の原因となります。事実,日本における癌患者の痛みの除痛率は全国有名大病院400余りの看護婦による評価では,ようやく50%を超したところです。たかが痛みといっていながら,それの除痛率がまだ低いのです。これで最新医療技術を駆使しているといえるのでしょうか。

ところが,痛いという患者さんにきちんと医療対応しようとの方針をとり,必要な薬さえあればどの地域のどの科の医師にも実施できる治療法,すなわち鎮痛薬による治療法を採用した私の病院では,86%の患者さんの痛みが消え,11%の患者さんの痛みが大幅に緩和しました。ただ図式的に鎮痛薬を投与していたのでは,このようなよい成績が得られま

 

 

 

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