これからの癌医療のあり方
こういう考え方は,末期になってから必要なのではなく,もっと早い病期の患者さんにも必要なのです。確かに,末期になるといろいろ問題が多くなると思いますが,あまり病気をしたことのない人が重い病気になったときには,医療側が治ると判断したときであっても,このまま死ぬのではないかと思うことも多いのですから,末期医療と呼ばれている考え方,知識,技術は,客観的にみてまだ末期になっていない患者さんにも実施する必要があり,また,患者さんにもそのニーズがあるのです。
みなさんが集団検診を受けたり,お腹が痛いと訴えて病院に行ったとします。いろいろ調べて,医師が「検査の結果,癌のようです」と言ったとしたら,みなさんはそれを深刻に受け止めるでしょう。つづけて医