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訴えて熱を計ったのですが,腋下では36度6分しかない。でも,私の手のひらのあたりに熱感は依然としてある。そこで体温計を手で握ってみたら37度を越していた。体温は体の各部所で異なっているということを心得ておくべきです。肝臓内では38度前後です。それは肝臓が非常に激しく活動しているからです。

このように,熱感ひとつとってもみんなが一律ではないことを念頭に置くべきです。

心筋梗塞の場合にも,ほとんどの患者が37度5分から8分くらいの熱が出ます。この場合には化学療法は効きません。これは心筋が壊死したために出る熱で,壊死熱といいます。体内に血腫があっても熱が出ます。そして血沈も高くなります。心筋梗塞と狭心症の違いは,「熱はありますか?」と尋ねることで鑑別できることがあります。

それから,患者が胸が痛いと訴えた場合,年配の人や高血圧症や糖尿病をもつ人ではすぐに心筋梗塞を疑うべきです。ただし,心筋梗塞と診断された患者のうち4分の3は,胸痛ではなく,胃がムカム力して吐くとか,背中が痛い,肩から胸にかけてしびれる,喉がつまるというような症状を訴えています。両顎部の歯肉がしみるようだという人もいました。以前,ある大会社の社長が,ゴルフをしていたら背中が痛くなった。それでそのまま温泉に行って指圧を受けたのですがどうも治らないというので,私の病院に来られた。心電図をとってみると心筋梗塞だったということもありました。

「手足が冷やっとしませんか?」「冷や汗は出ていませんか?」と

 

 

 

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