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提案要旨

保育所の保健活動と地域小児保健

 

松谷美代子(東大阪市保健衛生部健康づくり推進室参事)

 

母子保健法、児童福祉法が一部改正され平成9年4月より施行されました。

これは母子保健事業の市町村への一元化を図ったものであり、住民に身近な市町村での基本的サービスの提供や、妊婦及び乳幼児に対する一貫した母子保健事業の実施、都道府県保健所と市町村の役割分担の明確化等が理由となっています。

具体的には母子健康手帳の交付、妊産婦健康診査、乳幼児健診、3歳児健診、1歳6カ月児健診、妊産婦・新生児訪問指導等が市町村事業となりました。

具体的な活動として妊婦教室や育児教室、離乳食教室などの健康教育、健康相談、健診により疾病の早期発見、早期治療、発達障害、育児の悩みや栄養指導、歯科保健指導にあたっています。また未熟児訪問指導、養育医療、障害児の療育指導、慢性疾患児の保健指導を専門的母子保健サービスとして保健所が実施しています。

母子保健法の施行されたS41年頃、母子保健の課題であった乳児死亡や妊産婦死亡対策、疾病対策も現在では、少子化、核家族、共働きの増加、母子の孤立化、育児不安、ストレスまた価値観の多様化など、疾病構造の変化や社会構造の変化に伴う対策に追われるようになってきました。このような状況のもとで保健所対応だけでは解決出来ない問題が多々あり、地域で母子に係わる関係機関との連携をはかり、問題解決に結びつくネットワークづくりの構築が必要となりました。市町村により多少構成機関の違いはあるとおもわれますが、保健所、保健センター、保育所、子ども家庭センター、家庭児童相談室、療育センター、医療機関、などがネットワークとして活動し、地域の自主的活動の育成についても成果があがってきています。

保健婦は地域の中で、家庭に入って家族の状況を把握し問題解決に向け支援活動を行っていますが保育関係の皆様には保健婦を上手に利用していただき、また地域にも出向いていただいて、問題点や解決方法について共に考えて頂きたいと願っております。

 

 

 

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