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【関係機関との連携】

(1)虐待予防地域システムにおける機関役割

 

1.医療機関

(1)発見:外傷、成長障害、医療中断等から

(2)診断:子の症状から医学的診断、重症度

(3)入院による保護

(4)子の治療:外傷、成長障害、情緒問題

(5)関係機関への紹介:児童相談所、保健所

(6)長期フォロー:成長、発達、情緒、親子関係

(7)ハイリスク児の発見と予防

2.保健所

(1)乳幼児虐待の早期発見(特にネグレクト)

(2)医療機関・児童相談所への紹介

(3)在宅乳幼児への援助

育児負担軽減、生活援助、育児指導

(4)ハイリスク児への予防的育児支援

3.児童相談所

(1)発見:通告から、養育・非行等の相談から

(2)虐待の確定診断

(3)処遇決定:法的対応、施設措置、在宅援助

(4)施設措置:入所援助、入所後援助、退所指導

(5)在宅援助の統括

(6)関係機関へのスーパーバイズ

(7)地域システムの構築

(8)法制度や行政制度の整備

4.弁護士、家庭裁判所、警察、

5.保育所・学校

(1)早期発見・再発の早期発見

(2)在宅での援助

子:

保護(安心感、基本的ケアの補足)

成長発達保障

心的外傷の治療

親:

育児負担の軽減

親の相談者となる、育児相談

(3)関係機関への紹介:児童相談所、医療機関、保健所

(4)ハイリスク児への予防的援助

6.施設

(1)子どもの保護

(2)成長発達保障と取り戻し

(3)心的外傷の治療

(4)親子関係の修復

(5)退所後の援助機関への引継ぎ

(6)退所後の子どもへの継続相談

7.福祉事務所

(1)発見:通告、福祉相談、家庭児童相談室

(2)関係機関への紹介:児童相談所、保健所、医療機関

(3)経済援助

(4)保育所への措置

(5)ホームヘルパー派遣

(6)ハイリスク児への予防的援助

 

[改善を実証づける兆候](Schmitt)

 

1.親が援助チームに協力的で援助を利用する

2.危機や大きな問題の時に親から援助を要請する

3.関わる専門職種がい以下を感じる、―親が、

(a)怒りを他の方法に転換する事を話せる、

(b)子の行動に対する衝動を一部抑制する、

(c)自分に対する否定的感情表現に我慢できる

(d)正当で体罰的でない一貫した躾を行う、

(e)親から、子育ての助言を求め一部実行できる

(f)子を独自のニーズ、権利を持つ個人と認識する

(g)子の発達段階行動を理解し、現実的期待を持つ

(h)わが子について肯定的な言葉を話す、

4.親が危機状態に気付き、子どもから離れる、

5.配偶者が危機に気付き、子どもを護る介入をする

6.家族機能に以下の改善がみられる、ー親が

(a)混沌とした生活を変えたいと思う、

(b)父母が相互扶助的になり、育児家事を分担す

(C)危機に気付き、他の方法での解決を試みる

(d)危機に陥る前にストレスに気付き解決する

(e)援助者や友人親族の援助が増え、孤立が減る

7.子どもに以下の改善がみられる

(a)医療健診の中断がない、

(b)新しい外傷がない、

(C)発育や発達が順調である、

(d)子が虐待的に扱われてると言わなくなる

(e)子が虐待を避ける行動ができ、援助を求める

(f)子の行動・学業・対人関係・自己像が改善す

 

 

 

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