【保育園での子どもへの取り組み】 子どもへの援助で一番大切なのは、中断しないこと!
1. 虐待の有無・程度を日々観察する
1)外傷の有無、食事や水分摂取状況、清潔の保持状況、疾病時の医療状況、
2)児の情緒状態の変化
3)体重・身長(成長曲線に記入)や発達の停滞やチャッチアップ、
4)欠席日の状況:虐待増強・中断の兆候、外傷を隠すため、おしおきとして欠席、
不審な欠席日には家庭訪問する方が望ましい
2. 健康保持のための保育
1)栄養補給:食べるだけ与える(下痢嘔吐しない程度)、おかずを多くする、朝食も与える、水分摂取にも注意する、
2)清潔・保温:入浴させる、洗濯する、
3)体と心の休養:睡眠不足なら睡眠させる、
4)病気の時のケア:病気の発見、保育園での看護、医療受診の代行、家庭看護の援助
3. 心の治療 不安の軽減、心的外傷の治療、基本的信頼や自尊心を育てる
1)恐怖心、不安感、警戒感を緩める
2)感情表出、要求表出をさせる
恐怖感・攻撃性の表出、甘え・退行の受容、要求・言語表出の促進、
3)人への基本的信頼観の育成
大人との安定した関係の体験、スキンシップから、叱らず、最大限に誉める、
身辺自立や発達促進より、大人に受容される関係の再体験を重視する
4)傷ついた自尊心の育成
人格を誉める(可愛い、好き、いい子)、要求を尊重する、
5)遅れている発達の促進
体験不足を補い、言語刺激を多く(指示と禁止と叱責以外)、言語表現を育てる、身辺自立は早すぎることが多くむしろ退行を受容しケアしたい、
母とのトラブルをおこさずに取り組むには、「児にとって母が一番大切な人である」との姿勢を保育者が持ち続け、母へのサポートを重視すること
子どもにはスキンシップから始め、退行を受容し、抑圧してきた不安感や攻撃性の表出を促し、人への信頼感や自尊心をもてるようにする
【職場内の対応】
1. プライバシーの保護:虐待については他の父兄に伝えない
2. 親や子どもを好奇の目や批判的に見ない
3. 子ども担当、親担当、他機関連携の窓口担当者を分担する
4. 担当者は時間的精神的負担が大きく他スタッフのサポートが必要
5. 事故の可能性や他機関への責任があり、園長への報告が必要
スタッフや機関の利益よりも、子どもの利益を優先させる義務がある
【他機関との連携】 始めに関係機関が全て集まってカンファレンスを行い、以下を協議する
1. 子どもと親の状況や虐待についての判断を共有する
2. 援助方針を一致させる
3. 関係する機関の役割分担をする
4. 関係機関間の連絡網や連絡事項を決める
5. 保育所で出来ることと、出来ないことをはっきりと伝える
6. 保育所をスーパーバイズする機関を決める