れに対する憧れを決して失ったりしなかった。何とか日本語の特性にもとづくやり方で、それに匹敵する音楽を作る、それが中年以後の彼の苦闘の歴史である。
それらの作品は1978年、芥川也寸志指揮による新交響楽団によって二夜にわたって行われた「小倉朗交響作品展」という快挙のおかげで、CDが入手可能である。
“ヴァイオリン協奏曲”は欠落しているが、そのかわりに印刷出版がある。
彼の若い頃の作品のように「耳に入りやすい」音楽ではないかもしれない、しかし彼の“かん”は鈍っていない筈である。
第20回作曲賞作品募集中
オーケストラ作品を下記の要領で募集しています。
?資格 日本国籍を有すること。
?申込手続 所定の申し込み用紙に該当事項を記入し、作品に申込料20,000円を添えて申し込む。
(申込用紙は80円切手を同封の上、財団に請求のこと)
?申込期限 平成9年9月30曰(火)午後3時
?表彰 入選作品は「現代日本のオーケストラ音楽」演奏会にて初演する。
入選作品のうち特に優秀作品と認められるものに対し、作曲賞50万円を贈る。さらに、日本財団より作曲賞受賞者に日本財団賞80万円(作曲委嘱料として)が、また作曲賞受賞者のない場合は、最上位入選作品1名に対して日本財団奨励賞として20万円が贈られる。
?その他 (1)未発表作品に限る。(2)オーケストラは3管の通常編成以内とし、打楽器奏者は5人までとする。その他の制限は特に設けない。(3)演奏時間は30分程度以内。