4 任用
(1) 採用
戦争中は、スパイを占入させないため、身許がしっかりした人物を採用する必要が特に高く、そのため一般的な試験制度ではなく、党や有力幹部の推薦による中途採用が主流であった。
現在は学歴により公務員を4つのクラス(A、B、C及びD)に分けており、A、Bについては、採用試験による採用が原則になっている。
クラスA: 学士以上の学歴をもった公務員
クラスB: 高校又は技術学校を卒業した公務員
クラスC及びD: 小学校又は中学校を卒業した者。
行政事務においては、クラスC及びDにあたる者を恒久的な公務員としては採用せず、契約公務員として雇用する。雇用契約には、長期労働契約と短期労働契約の2種類がある。
採用試験は1995年から実施され、毎年行っている。分野は、行政、経済、財政、国際協力など16に分かれている。受験者は各機関に応募し、各機関が空席ポストと受験成績を勘案して採用者を決定する。公務員の人気は中央で高く、競争率は約20倍から30倍で、この2年間で7,800名の合格者が出ている。
採用試験は最近導入されたばかりであるため、現在の大半の在職者は、採用試験を経ることなく選考により採用された者である。また、採用者数、特に試験合格による採用者数は不明であり、現在でも有力者の推薦による採用(縁故採用)は少なくないと思われる。
(2) 昇進・異動
昇進・異動の多くは同一機関内で行われる。
昇進は、原則として、政府組織・人事委員会が行う試験を経て、各省庁の長によって運用・管理が行われる。また、勤務実績が優秀な者に対し研修所(例えば、国家行政学院、国家政治学院など)で研修を実施し、幹部として登用するシステムを採っている。
異動については規則はなく、各機関が実施する。具体的には、職員の申し出に基づき、人事課が了承する場合と人事課の意向による場合がある。