り制の導入等の検討を進めている。
力 暖房手当
退職後も支給される。
キ 死亡
退職職員が死亡したときは、在職職員が死亡した場合と同様の葬祭手当、遺族扶
養手当を支給する。
第4節 公務の課題と今後の展望
1 公務の課題
中国では、第2節「統治機構」及び第3節「公務員制度の概要」で述べたように、共産党の管理下にある約2,700万人余の「国家幹部」からの構成される巨大な組織により、国有企業等の経済活動をはじめとする様々な公務運営が行われてきた。これらの者は、採用試験等で選抜されたのではなく、共産党により推薦された地縁、血縁関係を基礎にした集団であり、中国における経済発展を推進していくための高度な専門知識や情報を有しておらず、また、そのときどきの党指導者の政治理念やイデオロギーの権力闘争に深く巻き込まれることも多かった。そして、「国家幹部」の人事管理は、共産党のヒエラルキーに沿って高度に中央集権化されていたため硬直化するとともに、党組織と行政組織の重複による公務運営の非効率、不正・腐敗の蔓延等、様々な問題を招来していた。
中国の改革推進者は、このような「国家幹部」管理制度(Cadre System)から脱却し、近代的な公務員制度を確立することが、経済発展を推進するためには不可欠であると認識し、1970年代後半以降、行政改革及び公務員制度改革を徐々に進めてきた。その結果、高度に集権化されていた共産党や人民代表大会の意思決定権の下部機関への一部委譲、国有企業の行政官庁からの分離、行政組織の整理・簡素化が実施され、そしてとりわけ重要なことは新しい公務員制度が確立したことである。
この新しい公務員制度は、1993年8月に全国人民代表大会において「国家公務員暫行条例」として制定され、その主要な内容は、客観的な基準に基づく職位分類制度、能力主義に基づく公開の採用試験や勤務評定制度、賞罰制度、研修制度、人事異動制度等の