なければならない。
一定額以下の給与を受ける公務員、従業員が研修を受けるとき、研修費の一部がこの基金から補助され、残りの費用は使用者たる政府、企業が負担する。なお、公務員大学校での研修は、有料で、参加の都度費用が徴収される。
第5節 公務の将来戦略(PS21)
1 シンガポールは、1990年代までに、高い教育水準と生活水準の国の仲間入りをした。
情報化の進展やグローバルな商品・サービスの流れは、政治、経済の状況を一変させている。また、天然資源よりも知的資源がより重要となってきており、より優秀な人材の確保のための競争も激しくなってきている。
シンガポールの繁栄の一因は、クリーンで効率的な政府の存在が挙げられるが、新しい経済、社会環境の流れに呼応して、公務に求められる使命も大きく変わりつつある。
このような状況の変化に、適切に対応していくため、シンガポールでは、1995年から、Public Service For the 21st Century(略してPS21)というスローガンを掲げて、国の競争力の維持と国民への能率的、効率的なサービスの提供を主眼に、公務の改革に取り組んでいる。
2 公務の新しい改革として、次の4分野を掲げて、全省庁的に取り組んでいる。
各分野ごとに、全省庁的な改革と、各省庁ごとの改革が行われている。このうち全省庁的な主な改革は、次のとおりである。
?@ 職員の福利・厚生(Staff Well-being)
職員の福利厚生が第一に掲げられているのは、公務の変革の主役は、職員であるという認識からである。職員が組織の中で、変革に積極的に取り組む前提として、職員の側に、組織が自分たちの福利厚生に適切な配慮を行う、努力が報われるという、確信がなければならない、というのがその理由である。具体的な施策としては;
・給与の官民均衡と幹部職員給与の決定方法の改善
・職員評価制度の見直し
・10年以上の永年勤続報奨制度の新設
・健康なライフスタイル・プログラムや健康診断の実施