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(2) メリット・システムによる職員採用(奨学金による青田買い)

採用は、欠員発生の都度行っているが、大学新卒者の募集は、11月に実施し、翌年5月に採用が決まる。

採用予定の職務の性質、資格等に相応する知識、技能について、書類及び面接により審査、選考している。書類審査と面接審査のウエイトは、職種によって異なる。ペーパー・テストは実施していない。National Exam(6年生、10年生、12年生)があるので、おおよその能力は把握できている。

シンガポールにおける公務員採用の特色として、小学校段階から選抜試験を実施してエリート教育を行い、学業成績に優れた一握りの学生を政府留学生として海外に送り出し、帰国後官僚ポストに確保する方式が制度化されていることが挙げられる。

政府奨学金受給者(毎年250人前後:うち海外が100人程度)は、一定期間(6〜8年)政府機関で働くことが義務づけられている。中でも、大統領海外留学奨学金(年4人)、国軍海外留学奨学金(年5〜8人)、警察奨学金(年1〜2人)が最も権威ある奨学金制度となっている。

このように、シンガポールでは、国費による海外奨学金制度が、エリート官僚を発掘・確保する重要な役割を果たしている。

 

?T種の職員の中でも、Administrative Service(略してAS)と呼ばれるエリート(約200人)は、特定の省庁やポストに長く留まることなく、数年単位で人事異動(ジョブ・ローテーション)が頻繁に行われている。また、時には、準政府機関や政府系の企業にも出向する。毎年10〜12人がASとして採用されているが、15人に増やす動きがある。ASには、新規学卒者だけでなく、すでに他の公務の職に就いている優秀な者の中からも、選抜されている。

他の職種・階層の職員は、原則として採用された省において勤務する。

 

〈官僚の政治化〉

シンガポールの政治体制は、行政・官僚が大きなウエイトを占めて社会を支配し、他方、政治的な対立勢力がないという特色を有している。そして、国家目標が経済発展であることが明確で、留学制度などを通じて優秀な人材がまず官僚になること、などから政治家の役割が低下しているといわれている。

 

 

 

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