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?U 国別調査結果

 

第1章 シンガポール

 

第1節 はじめに

 

1 東アジアの国々は、ASEAN(東南アジア諸国連合)、NIES(新興工業国・地域群)を中心に、長期的な経済成長を続けている。

過去三十年間に、世界のGNPに占めるアジアの割合は、6%から25%(うち日本は17%)へと大きく成長した。ちなみに、米国と欧州の割合は、それぞれ27%、26%であることから、東アジアが、欧米と並ぶ経済圏に発展したことがうかがえる。

東アジアの中でも、シンガポールの成長が著しく、1984年に、GNPが先進国のスペイン、アイルランド、イタリアを超えた。国民一人当たりのGNPは、1993年のIMF調査によると、世界12位である。OECDは、1995年に、シンガポール(GNP:843億米ドル、1人当りGNP24,311米ドル)をもはや発展途上国ではないとしている。

先進国の仲間入りをしたシンガポールは、他の先進国と同様、人口の高齢化が進んでおり、2030年までに、人口の25%が60歳以上になると予想されている。

 

2 1993年の世界銀行の報告書『東アジアの奇跡』(The East Asian Miracle:Economic Growth and Public Policy, 1993年)は、東アジア諸国(ASEANとNIES)が、高い持続的な成長を遂げることができた要因の一つとして、有能で専門性を有したテクノクラート官僚の存在があると指摘している。

このような官僚制を形成していくための要件として、次のような3点を指摘している。

?@ 採用と昇進は、メリットと競争によること

?A 給与は、民間と遜色ないものであること

?B トップに上り詰めるものは、十分な報酬を受けること

シンガポールの官僚制は、この要件を満たしていると、同報告書は述べている。

 

3 リー・クアンユー政権は、腐敗に厳しく対処し、世界でもトップレベルのクリーンさ、公正さ、効率の良さを誇る政府を作りあげた。同時に、シンガポールは、過度の管理体制の国でもある。

シンガポールの行政機構の特色の一つは、政府の省の業務を行政事務に限定し、経済、

 

 

 

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