換言すれば、実務家の日から見ると、一般の貿易取引においては、船荷証券は不要であり、SWBで足りるということのように思われる。
?輸出手形保険
「輸出手形保険の保険関係が成立する荷為替手形に買取等について」(昭和28年9月11日付け28通第20975号、最終改正:平成6年3月31日)第1では、通商産業大臣の定める要件(一般に、「買取基準」といわれている)で、保険契約成立の買取基準を定めている。
しかし、SWBの歴史がまだ浅いためもあり、今もって、ここにSWBに関する記述がない。従って、D/A、D/P取引においては、現在の規定では、まだ輸出手形保険を付保することができない。
(注)輸出手形保険の付保
L/C取引の場合は、当該L/CでSWBを伴う手形の振出を要求しており、その他L/Cで指定する要件を満たしていれば、付保可能である。
?荷受人又は貨物引取人のサイン登録
一部の運送人においては、荷受人等に貨物引取人のサイン登録をさせている。
しかし、海外では職業の専門化が進んでおり転職の機会も多く、転職者は前社の身分でサイン登録をしたまま、また他社で同様の職に就くことがあるため、運送人は、自社やその代理人をプロテクトしているつもりであろうが、この方法にはリスクも残る。
荷受人が銀行である場合は、通常、貨物の最終引取人は銀行ではないため、SWBの発行自体も行うことができない。そのため、SWBを利用することによって、最も利益を享受できるはずの運送人は、自らその利益を放棄してしまうことになるだけでなく、UCPやINCOTERMSをも否定したことになってしまっている。
?運送品処分権
運送品が仕向地に到着するまで、SWBの原本を誰が保持しているかに関わりなく、当該貨物の処分権は荷送人に留保されているため、荷為替の取組みに際し、また貨物事故が発生した場合、荷受人が運送人や保険者にクレームをするときに、支障が生じる。