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これら3つのセキュリティ関連機関及びEDIネットワークが、貿易手続EDIを行う場合の基本的な技術的構成要素となる。

これらの技術的要件を支配する考え方で比較的大きな要素は、セキュリティの要件である。セキュリティ要件を満たした上で、次に考慮すべきはシステムの費用と使い勝手を考慮した設計原則である。設計原則は、?CRにできるだけ多くの機能を持たせてユーザサイドの機能を軽くしようとする考え方と、?ユーザサイドにできるだけ多くの機能を持たせてCRの機能は最小限に止めようとするものがある。

 

前者の場合においては、当然、ユーザの負荷は軽くなるとともに、グローバルな形でユーザの合意が成立することになれば、標準化は強制的ではあるが、かなり進むことが考えられる。

しかし、その場合には、センター機能の充実(開発と運用)のために多額のコストを要することになるので、ユーザサイドにおけるシステム使用料が比較的高いものになる(計算センターサービスに近いものになる)というマイナス面があるほか、CRに全ての情報とプロセスの管理を任せることになる結果、システムに新たな機能を持たせようとするとき(新たなビジネス・プロセスを開発するとか、新しいビジネスチャンスを掴もうとするとき)には、CRの承認をえなければ何もできなくなる(簡単にはできなくなる)ということになる。《システム改造のために要することとなるコストは、当然、ユーザが負担することになる。》

後者の場合(CRの負荷を思い切って軽くした場合)には、プロセスは非常にフレキシブルなものとなる。つまり、ユーザ間において、種々のプロセスを容易に創ることができるというメリットがある。そして、ネットトワーク利用コストは、現状のVAN利用コストにプラスαした位のもので済むことになる。

しかし、プロセスの全て及びデータの管理をユーザサイドで行うことになる結果、ユーザのアプリケーション・ソフトはかなり大きなものになることが考えられる。《ユーザサイドにおけるシステム開発コスト・保守コストが、かなりかかることになる。》

 

2.セキュリティ・リスクと対応策

(1)セキュリティの要件

貿易手続に限らず電子データ交換を行う場合には、セキュリティ機能の実現に関して、

 

 

 

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