Boleroは、当事者のみアクセス可能と限定しているが、保険会社の海外査定代理店も関係者の一員としてBoleroに登録し、アクセス可能にしておくことがベストである。これができない場合には、Boleroのシステムからプリント・アウトした保険データで有効に保険金支払い処理ができる形を検討しなければならない。
(7)システムの今後の展開とフェーズ分け
初期サービス、将来サービス共に、そのイメージが今一つ明確でない。
ただ、権利登録データ・ベースに活用については、それぞれのユーザが知恵を出すべきである。
わが国の損害保険業界でも、Bolero全般のイメージを把握してその有効活用を考えていくべきであり、それによっても、システム対応が異なってくると考える。
(8)Boleroの価値
業種別にBoleroの付加価値が説明されているが、問題はない。
損害保険業界についての付加価値については何も記述されていないが、損害保険会社にとってのメリットとしては、次のようなものが考えられる。
・個別企業とのEDIでの変換地獄から抜け出せるようなシステム作りの方向である。
.保険証券の電子化による省力化で人件費、郵便料金、配達費、書類保管料などの一般管理費も合わせた削減ができる。
・(システム対応によっては、将来的には)保険付保と同時に保険料を領収、精算(現行は、保険料合算後払い方式による1か月分の保険料をまとめて翌月末までに後払いする方式)ができる。
(9)Boleroのインパクト
紙ベースから電子データへの移行は、将来の方向としては正しいと考える。