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れるケースを除いて、旧約款の保険証券を発行するケースが大半であるが、英国のマーケットでは、既に、新約款の保険証券のみが流通している。

他に、「AMERICAN INSUTITUTE CARCO CLAUSE」を使用している米国を含め、ドイツ、フランス、中国は独自の貨物保険約款を使用している現実がある。

 

(4)電子環境の構築

電子環境として、グローバルで業界横断的なオープン・アプローチによるインフラ構築の必要性は理解できる。

わが国の保険業界でも、業界的なコンセンサス作り、標準メッセージの開発・運営基準作り等の業界横断的な活動を起こす時期と考える。保険証券の電子化に伴う署名・印紙税・裏書・保険金請求書類としての機能など業界共通の問題の調査・検討が必要と考える。

 

(5)Bolero Service

紙ベースの現行法を超越するための契約優先の思考には、敬服する。

売買・運送・保険・決済などの各契約を網羅する拘束力のある多角契約たるルール・ブックは、特に興味深い。

「権利登録データベース」の項目で、船荷証券の譲渡性について記載されているが、保険証券の譲渡性についても、同様の手法の展開が考えられる。

 

(6)Bolero Service

システムのアーキテクチャーと機能の概要は把握できた。構想どおりの汎用性のあるツール・キットの実現化を希望する。

予想もつかない膨大なデータを(認証機関)に集中するシステム構想と考えられ、データ・セキュリティの確保の問題もあるが、システムの中枢を設置する国の法律もよく調べその国の事情でシステムの運用が左右されないように、運用面の安全性も確保する必要がある。

 

わが国の損害保険業界では、世界各主要都市に海外査定代理店を設置し、保険金の適正迅速な支払いを行っているが、保険金支払いのためには、保険データ・船積データを海外査定代理店が確認する必要がある。

 

 

 

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