(2)序論
Boleroは、オープン・システムである以上、保険証券を含めた貿易書類毎にグローバルに適用できる標準メッセージ(フォーマットとコード)の開発が必要である。
わが国の損害保険業界では標準メッセージが存在しないので、少なくとも、標準メッセージの早期開発は必要であると考えている。
(3)現在の市場環境
【BRS】(英文)の10頁の図表1「対外的書類交換の流れ」では、「保険承認状」(INSURANCE CERTIFICATE)が保険会社と船社/フレイトフォワーダーとの間でやりとりされているように図示されているが、少なくとも、わが国においては誤りである。
輸出貨物については、「保険証券」(INSURANCE POLICY)が保険会社と輪出は者の間を、輸入貨物については、「保険料明細書」(S/P:STATEMENT OF PREMIUM)が保険会社と輸入者(契約者の要望で、通関手続の迅速化のために、通関業者に保険料明細書を直接送付するケースはある)の間でやりとりされている。
「貿易手続の種類」の保険契約の項目で言及されている「保険承認状」(INSURANCE CERTIFICATE)は、欧米では、保険会社と契約者が包括予定保険契約の締結を前提に、保険会社がINSURANCE CERTIFICATEを契約者に預け、契約者自らが発行する実務が主流であるのに対し、わが国では、裏面約款が刷り込まれたINSURANCE POLICYを保険会社が発行している実務が主流となっている。
UCP500に基づき荷為替信用状(L/C)で、INSURANCE POLICY又はINSURANCE CERTIFICATEのいずれかの発行が求められている場合には、填補責任上のトラブル防止のために、裏面約款が刷り込まれたINSURANCE POLICYを発行するのが通例であるが、電子化を考えればINSURANCE CERTIFICATEを活用していきたい。
わが国では、4種類の保険証券(INSURANCE POLICY)がある。
船と航空機の輸送形態別に保険証券が作られており、裏面には、旧約款といわれている1963年版「INSTITUTE CARGO CLAUSE」と新約款といわれている1982年版「INSTITUTE CARGO CLAUSE」がそれぞれ刷り込まれている。
わが国のマーケットでは、荷為替信用状(L/C)で新約款の保険証券の発行が要求さ