IV.損害保険会社の立場からの考察
1.評価に関する所見
損害保険会社関係委員から、Bolero Projectに関し次のような評価所見が提示された。
《評価に関する所見》
1.総議
(1)Bolero Serviceのコンセプト
Bolero Serviceが、「中立で業界横断型の共通のプラットフォーム」を提供するというコンセプトそのものについては賛成である。
(2)【BRS】の記述
【BRS】がBoleroのビジョン考察用に作成されたとはいえ、全般の記述が抽象的であるため、具体的なイメージがわかない。
また、貨物保険に関する記述も少ないので、保険面での最終的な価値判断はできない。
【所見の補足】
わが国の損害保険業界も、事務コストを削減すべくと特定企業との個別EDIを押し進めているが、単独・個別の仕様では、システムの設計・開発・メンテナンスに相当な負荷がかかり、正に変換地獄に陥っているという現状がある。
貿易金融EDIへの障害は多々あるが、EDI化の波は押し寄せており、わが国の損害保険業界でも、貿易書類の一部を構成する外航貨物保険証券の電子化の検討を早急に推し進めなければならないと考えている。
2.業務要件
(1)【BRS】の目的と範囲
【BRS】の目的と範囲には、問題はないと考えている。
Bolero Projectが配付を予定している第一弾の【BRS】と第二弾のルール・ブック以外のボレロ・ビジネス・ケースとビジネス・プランが配付・開示される時期を知りたい。