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のもとでは代理受容ができないというような可能性があり、銀行の債権保全上問題が生じることになる。従って、質権に基づいたルール・ブックの規定をわが国において現実に適用していくに当たっては、例えば、約定書の変更といった対応策を検討していくことが必要となる。こうした観点から、英国法における「質権」の内容について、更に検討を要する。

 

《船積書類関連の情報の伝送》

Q:SWIFTでは、L/Cの開設手続きもEDIで行っているところであり、Bolero ProjectでもL/Cの開設手続きには触れているが、荷為替取組みに際して、船積書類関連の情報(インボイス、パッキングリスト、保険証券等)の伝達は、どのように行われることになるのか。

ペーパー・ベースの事務処理では、船積書類を一括目で見て確かめているが、Boleroでは、どのような処理がされることになるのか。

A:Bolero Projectの取組みはまだよく分からないところがあるが、わが国で進めようとしているIPA(情報処理事業振興協会)での「貿易手続き電子化実証実験プロジェクト」では、Virtualな環境を設定して、荷送人から、B/Lデータにインボイスやパッキングリストなどのデータをカップリングして銀行に持ち込み、そのデータを荷受人に伝送する実験を予定しているように聞いている。

イメージ的には、電子エンベロープの中に、B/Lデータ、インボイスやパッキングリストなどのデータを入れて宛て先に正確に伝送するというようなことになるのではないか。

 

《為替取引に関連したリスク》

Q:国際間における決済データをEDIでやりとりする場合には、瞬時に、債権・債務の相殺が行われることになるので、ケースによっては、債務だけが残り予定されていた入金がないために支払い資金が滞るという事態の発生も想定される。

現に、国際的な為替取引に関連して、著名な企業が倒産し、時差の関係から支払いが滞ったというような事例もあったように聞いている。

デビット・トランスファーには瞬間的に倒産の危機もあるので、取立決済は非常にむつかしいと聞いているが、EDIの導入に伴うこの種のリスクについて、銀行としては

 

 

 

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