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効率化が実現している経験を踏まえ、銀行業界としては、現状の紙ベースでの事務処理のEDI化を是非実現したいと考えている。

ところで、欧米の著名な銀行では、事務処理手続のEDIをにらみ、情報処理の一元化を図るための拠点(情報処理センター)をアジアに(中国語及び英語が通じる拠点ということで、米国の銀行は香港に、欧州の銀行はシンガポールに)設置しようとする動きがある。

わが国の銀行としても、きたるべきビッグバンに備えて、また、欧米の銀行とコスト面でも十分競争することができるよう、事務処理コスト・サービスコストの低減を進めていかなければならないと考えている。そのような観点からも、貿易金融EDIの導入に期待するところが大きい。

 

2.BRS全般

事業化の検討が進められているBolero Projectは、貿易金融の分野のEDI化を実現する一つの具体的なプロジェクトとして、非常に興味のあるものと考えている。

また、ルールブックという統一規約を制定するという考え方並びに【BRS】でBoleroの基本的な枠組みを示したことには、全体的には賛成の立場である。

 

貿易金融EDIの導入により、上記のような効果が期待できるものと見込まれてはいるものの、Bolero Serviceを利用するに際しては、どの位の投資になるか不明で、詳細なビジネス・プランが開示されていない現段階では、費用対効果について具体的に比較検討できる状況ではない。つまり、Bolero Projectの詳細については十分把握できない状況にあり、ビジネス・プラン及びシステム詳細設計の開示が望まれるところである。

 

3.今後検討を要する事項

上記2.のとおり、【BRS】については、全体としては賛成の立場であるが、今後、わが国の銀行がBolero Projectへの参加を具体的に検討していくに当たっては、次のような「EDIの基礎的な条件」について、詳細な情報を入手することが不可欠である。

 

《EDIの基礎的な条件》

(a)EDI取引の法的有効性

 

 

 

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