III.銀行の立場からの考察
1.評価に関する所見
銀行関係委員から、Bolero Projectに関し、次のような評価意見が提示された。
《評価に関する所見》
1.貿易EDIの導入の意義
現在、書類による手続が中心となっている貿易金融の分野にEDIを導入し、情報伝達手段の電子化を行うことには、ボーダーレスな取引が増え、輸出入関連の事務処理件数がが増えその処理費用が著しく増加してきている現状に鑑み、次のような諸点に非常に大きな効果が期待できる。
このため、銀行業界としては、基本的には、貿易手続のEDI化には大きな意義があると考えている。
(a)書類搬送の迅速化と搬送に伴うコストの削減
(b)書類保管に係わるスペースコストの削減
(c)事故やストライキ等の外部要因に起因する書類搬送中のリスクの削減
(d)輸出入書類点検などに従事している人員の省力化
(e)電子情報による保存の一元化
(f)貿易関係書類の処理効率の向上と点検作業の簡易化(→自動化)
(g)要員教育、育成負担の軽減
【所見の補足】
金融機関では、国際間における資金移動に関する情報交換(決済データ交換)を、SWIFTのEDIシステムを利用して行っている。
そこで処理している件数は、輸出入取扱件数の数倍に相当するもので、年率30%程度の伸びがあるが、SWIFTでのグローバル・スタンダードによるEDIを利用することにより、少人数で極めてシンプルな事務処理ができるようになってきている(事務処理の合理化・効率化の実現)。
このように、SWIFTのEDIシステムを利用することにより、事務処理の合理化・