A:Bolero Projectにおける「Holdership」及び「Ownership」については、紙ベースのB/Lに係る「所有」、「所持」、「占有」などの概念とは別個のものと考えるべきではないか。
これは全くの推測ではあるが、例えば、紙ベースの場合には、B/Lを銀行に持ち込むことによりネゴが行われるが、B/LがEDI化されると、先ず、B/Lデータを銀行に伝送し確認を受けたうえで、最終的に、「Ownership」の引渡を受けるというような2段階の手続きをとることを想定しているのではないか。
Q:提示されている資料の記述からみると、「Holdership」は「Ownership」を担保する機能を果たすように思われる。
担保機能を有する「Holdership」は、銀行間で転々と譲渡されるが、「Ownership」そのものは動いていなと考えることもできるのではないか。
A:有価証券の場合には、権利の発生、譲渡及びその行使は、すべて紙の証券をもってすることが必要とされているが、EDI化されたB/Lデータについてこれをみると、原因契約に基づく「Ownership」と、正当なデータの流れの過程において、任意の契約に基づいて転々と移転する「Holdership」とを、R/Aで管理していこうとするのではないか。
いずれにしても、EDI化されたB/Lデータを巡る法的諸問題については、今後、ルールブックの提示を求めて、検討を進めてみないとよく分からないということではないか。
(注)「Holdership」等に関する【Bolero Service Overview】の記述
Ownership of a document
Boleroは、権原証券(Document of title)の移転(transfer)及び現況(status)を管理する。C/Aは、どのユーザがドキュメントを所有(owns)及び保有(holds)しているのかという証跡(track)を保存する。
このような区分が示すのは、通常の業務において、例えば、ユーザが貨物の引渡しのために(for settlement purposes)、取引銀行にB/Lを提出する(すなわち、ドキュメントの保有権(Holdership)を銀行に渡す)が、貨物の引渡しが完結するまでは、その支配(control)は留保されている(すなわち、ドキュメン