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非常にメリットのあるもので、この点が今後どのようにBoleroの中で取り上げられることになるのか興味のあるところである。

現在、入金通知に係わる全銀フォーマットはテキスト桁数が短く、支払いの対象となるB/L No.の記載が事実上できない(複数のB/Lをカバーするケースが多い。)ので、入金情報の消し込みに多大な手間暇を要している。

 

9.Boleroの目指すもの

【BRS】のBoleroの価値やインパクトに関する記述には、概ね、異存はなく、貿易関係書類の電子化を進める必要性は大いに認められる。

しかし、Boleroの仕組みの利用が極一部の荷主や船社に留まった場合には、結局、新たなオプションが追加され、業務手順が複雑化するという結果を招くことになるおそれがある。従って、早く、クリティカル・マス(限界量)を押さえ、グローバルに普及した仕組みとなり得るかどうかが、Boleroの成功の鍵になるものと考える。

このため、政府・民間業界を挙げて、Bolero Projectについて検討が進められることを期待したい。

なお、【BRS】の一部には、『Boleroを船社が、差別化の道具として使うことを期待する。』旨の記述が見受けられるのが気になる点である。

むしろ、Boleroは、標準化されたプラットフォーム、換言すれば、一種のインフラを提供することを指向すべきではないかと考える。

 

 

 

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