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?.船社の立場からの考察

1.評価に関する所見

船社関係委員から、Bolero Projectに関し次のような評価意見が提示された。

 

《評価に関する所見》

Bolero Projectの目指す貿易関連文書の電子化は、将来の方向性としては疑いの余地のないものと思われる。船社にとっても、そのメリットには大きいものがある。特に、貿易関連文書の中で重要な部分を占めるB/Lの発信元として、海運業界はこの全体スキームの中で、重要な役割を果たす必要があると考えている。

 

Bolero Projectの評価に関連していえば、「貿易金融EDI調査・研究会」資料として提示されている内容に異存はない。当該資料においては、わが国での適用に当たって、?次期海上貨物通関情報処理システム(Sea-NACCS)との兼合いを十分考慮すべきである、?各業界間で議論を行い適用業務要件を確認しながら進めるべきである旨の指摘を行っているが、正鵠を射たものと考えられる。

今後、国内におけるBolero Proiectに関する検討が、これらを考慮に入れた形で進められることを望ものである。

 

【BRS】の10ページの図1「対外的書類交換の流れ」においては、船社を取り巻く様々な書類が示されている。将来の姿は別として、現実的にBolero Projectにより電子化が実現されると思われるB/Lに関し、その電子化がもたらすであろう変化とその評価について、以下のように考察したので参考までに意見提示を行う。

 

1.B/Lの電子化による省力化

オリジナルB/Lの電子化に伴い船社が享受するするであろうメリットは、直接的にはペーパーレスによる省力化にある。

船社におけるB/L作成プロセスの中で、ハードコピー(書類)の作成に要するマンパワー及びシステムへの負荷には大きなものがある。特に、わが国では荷主(海貨業者)の持ち込むD/R(Dock Receipt)と同じスタイル(行変え、表示位置等)でオリジナルB/Lの発行を求められることが多く、コンピュータ処理による出力を複雑にして対応する

 

 

 

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