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示されていないので、効果を含めた総合評価は難しい。反面、インフラを提供しない場合の、いわゆる段階的アプローチを採用した場合には、初期段階で多数の参加が得難い、という問題が残る。

いずれにしても、早期にプロジェクトの範囲、コストの提示が望まれる。

 

R&L(Responsibility & Liability:義務と責任)では、従来のサービス提供者と異なり、ユーザの料金ではなく、基本となるビジネス取引をベースに補償するといっているが、他方、保管するメッセージの内容については関知しないともいっている。矛盾しないか?また、ユニークな責任を負う範囲は、ネットワーク接続を行った場合に、どこまで及ぶのか?

セキュリティ管理の内容が不明であり、評価は困難である。

 

5.Boleroシステム

「文書管理」を中央集権的に行うことの善悪は、コストとの関係、各国の利害調整が関係してこよう。データの安全管理とも絡むが、ローカルにデータを保持することを検討してはどうか。

 

RA(Registration Authority)、CA(Certification Authority)の数と機能については、今後更に明確化が必要である。

《1997年秋、RAは各国に最小限1つ設置することになった模様である。CAについては、どうするのか。》

 

6.システムの今後の展開とフェーズ分け

初期サービス、将来サービスとも、そのイメージが明確でなく、評価が困難である。

とはいえ、現存する法制度・慣行がどうなるかは誰にとっても予測困難な問題であり、絵を描きにくいことは想像に難くない。各国政府関係者を動かし、「段階的に」実現せざるを得ないと考えるが、また、短期的にはデータと紙の2種混合状態が続くので、費用対効果の測定には慎重を要する。

《短期・長期の評価のほかに、経過期間に関する評価が必要であろう。》

 

 

 

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