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《署名の要件は、研究対象となった各国の法律によって異なっていることが指摘されている。署名は、通常、必要とされるが、自筆によらなければならないということはなく、プリントまたはスタンプによる署名も認められている。》

 

?権利の化体、原因契約からの分離

流通性書類の欠くことができない特質は、1あるいは複数の権利を化体していることである。これらの権利は種々の契約から発生するが、権利が流通性書類の形式で表現されると、この権利は原因契約から分離されたものとなる。

 

?識別確認と呈示の機能

流通性書類は、債務者に通知することなく譲渡できる。この結果、流通性書類の所持人は、支払いを確保することができる。

また、債務者は、書類自体を呈示する者に対する弁済によって債務を有効に消滅することができる。しかし、債務者は、流通性書類の呈示者が正当な所持人であるかどうかを確認しなければならない。

《ほとんどの流通性書類は「指図式」であるので、債務者は、呈示者へ繋がる有効な裏書の連続があることを確認しなければならない。》

 

?流通性書類の制定

流通性書類は、一般に、個別の制定法によって規定されている。

現行の流通性書類は、長い変遷を経て創られたものであり、取引慣行に発展に伴い、新しい流通性書類を規定する制定法が採択されると、正式に認められた流通性書類としての完全な地位を獲得することになる。

しかし、流通性書類の確立のために必要とされる時間が長すぎるので、流通性書類の電子的等価物を創る場合には、実際的な方法とはいえない。

 

このため、流通性書類の電子的等価物を創る場合には、別の方法を採用する必要があるとされ、MANDATEプロジェクトでは、次のような提案を行っている。

 

(a)契約という手段によって、新しい流通性書類に要求される機能を確認し、これを達成する。

 

 

 

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