?.流通性書類のEDI化への取組み
1.流通性書類のEDI化への取組み
ヨーロッパでは、単一市場の導入に伴い、人、商品、資本、サービス、情報などの自由な移動が実現し、その全域における事業経営の統合が進められているが、反面、事業管理面で、複雑さが増幅されてきているとの指摘も行われている。
このようなことから、EU加盟国においては、事業管理をより効率的に行うために、EDI及びこれに関連する技術が、急速に採用されつつある。EDI及びその関連技術の導入は、商取引に要求される大量の書類を不要にすることによって、事業管理の効果を高めようとするものである。
そして、EC委員会は、EU加盟国間において最大限にEDIの導入を達成し、その導入に伴い変更されることとなる取引慣行に関する法的諸問題の検討を進めるために、資金提供をして、次のようなプロジェクトの実施を進めた。
?MANDATE
?BOLERO
?EDIBOL
2.流通性問題プロジェクトの概要
EC委員会のおいて実施した流通性問題プロジェクトの概要は、次のとおりである。
(1)MANDATEプロジェクト
MANDATEプロジェクトの主たる目的は、「流通性」(Negotiability)の本質について検討し、紙の流通性書類(Paper Negotiable Documents)の機能を電子的環境へ移行させるための方法《電子的代替物を確立するための方法》について検討しようとするものであった。
この検討は、特に、メッセージ・セキュリティの重要度及び通信当事者間における拘束力のある契約関係の必要性に焦点を当てて行われた。
MANDATEプロジェクトは、理論的な側面から、流通性書類のEDI化への取組を