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であれば、船会社の立場からいうと、B/Lをペーパーの形で発行するという必然性はないように思う。

 

(5)EDIによる権利譲渡

銀行による手形の買取りまで考えると、EDIによるデータ交換を意識していかなければならないと思う。BOLEROによる仕組みがいいかどうか判らないが、B/Lによる権利譲渡がEDIでできることになる点については留意していかなければならない。

 

(6)B/Lによる洋上転売

『B/Lによる洋上転売は数10回行われることがあるように聞いているが、そのような場合、権利譲渡は、実務上、どのように行うのか(B/Lの受渡しはどのようにするのか)。』との旨の問い掛けに対し、次のような説明が行われた。

 

(a)原油の洋上転売についてはそのような例のあることは聞いているが、ライナーの個品運送ではそのようなことはあまり多くない模様である。

 

(b)B/Lの裏書が数10回も連続しているというようなものは見たことがない。多分、最初に白地裏書で権利譲渡された後、転々と流通しているのではないか。《裏書がたくさんあるB/Lはあまり見かけない。》

 

(c)原油、水産物など相場商品では転売が行われているが、ある程度のことは信用ベースで動いているので、B/Lの受渡しが頻繁に行われるということはない。

 

(d)B/Lにより権利の譲渡が行われるとしても、所有権の移転が行われるだけであり、他のB/L記載事項の変更(例えば、揚地変更)を伴うようなものは、ほとんどない。《揚地変更の結果、仕向国が変わるということがあれば、別途、問題が生じるおそれもある旨の指摘が行われた。》

 

(e)B/Lは、通常、原本が3通発行されている(確立された貿易慣習)。

複数のB/L原本により権利の譲渡が行われるとしても、船会社はそのうちの裏書き

 

 

 

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