日本財団 図書館


喉や口内に水中の汚物等が詰まっているような場合は、顔を横に向けて口を開けさせて異物を掻出す。

なお、胃に入った水は無理に吐かせる必要はない。

?保温

水に溺れた場合は、どんな場合でも、毛布で全身をくるむ等して保温しながら医療機関へ運ばなければならない。

なお、海面漂流者の呼吸、意識の有無を海上でこのような方法により確認することは困難であり、この場合は唇のチアノーゼ(唇が紫色になる。)及び瞳孔の状態で確認する。唇が紫色になっていれば呼吸停止しているで、その場で気道開放、人工呼吸を行い、早急に救助船に収容する。瞳孔が散大していれば、心臓停止とみて、早急に救助船に収容して心肺蘇生を行う。

 

2 転覆・沈没船内の遭難者(参考)

転覆・沈没船内の遭難者救助については専門機関である海上保安庁等が直接これに当ることとなるので参考として記載する。

転覆船・沈没船内の生存者は、遭難による精神的動揺、低温環境等による体力の消耗、負傷等の厳しい状況下におかれており、救出後の適切な手当てが重要である。

 

・手当ての手順

?外傷の手当て

負傷部位の消毒、包帯による負傷部位の保護等一般的な外傷の手当てを行う。

身体は濡れているため、着衣を脱がせて水分を拭き取り、新しい服に着替えさせて、毛布等にくるみ保温する。

?水分の摂取

環境温度に応じて、冷やすか温めた水を飲ませる。

?入浴

負傷の程度が軽ければ、37〜40度程度のぬるま湯に入浴させる。

体温を回復させるために遭難者の身体を摩擦(全身マッサージ)することは、一般的には遭難者の疲労を増加させることとなる。

 

3 有害物質による中毒(参考)

本項についても救助活動そのものも専門機関の相当な装備が必要な事項であり参考として記載する。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION