Q-14 最近「ビックバン」についていろいろ言われています。金融機関がもっと倒産するとか、自己責任原則とか不安になるようなことばかりが目につきますが、自分達や子供達の財産を危険にさらしたくはありません。どんな点に注意すればよいのか教えて下さい。
A この方の質問は、最近よく耳にする「金融ビッグバン」についてのものです。
そもそもビッグバンとは何のことなのでしょうか。「日本版ビッグバン」とは、則ち金融システム改革を指します。日本の金融市場を、平成13年までにロンドン・ニューヨークと並ぶ国際金融市場とすることを目標に、銀行、証券、保険、外国為替、会計制度など金融に関わる全ての分野にわたって行われるまさに大改革です。
この改革には3つの原則があります。
? FREE(市場原理が働く自由な市場に)
? FAIR(透明で信頼できる市場に)
? GLOBAL(国際的で時代を先取りする市場に)
?FREEに基づいて、銀行・証券・保険各分野への参入や取扱業務の拡大、商品規制の撤廃等によって新たな商品・サービスの拡充を促進し、各種手数料の自由化によるサービス・コストの軽減効果や国内外の自由な資本取引を可能にするための様々な規制緩和・撤廃が行われ、?FAIRではディスクロージャーの充実・徹底によって、投資家の自己責任原則の確立を目指し、会計制度の国際標準化、デリバティブ等金融先進技術に対応した法整備によって?GLOBALな市場を目指すというのが、この日本版ビッグバンの大きな方向性です。
これによって、資産の運用や資金の調達手段により多くの選択肢を提供し、サービスの質及び対価の競争を促し、公正かつ透明な取引とルールの整備によって利用しやすい市場をつくり出そうというわけです。
ビッグバンを説明するとなると何やら難しい話になってしまいます。実際、世間で騒がれているわりには、日本版ビッグバンが私たち個人にどんなメリットを与えてくれるのか今一つ見えてこないのもまた事実です。平成13年度までに実施される各種項目は多岐にわたり、且つ相当数に上ります。私たちに直接関わりがありそうなものでも、平成10年4月の新外為法の施行を皮切りに、銀行等による投資信託や保険商品の販売、オプション取引など証券デリバティブ取引の全面解禁、株式売買委託手数料の自由化、損害保険料率の自由化、上場株式の取引所集中義務の撤廃(取引所以外でも取引可能になる)等、数え上げたらきりがありません。
これだけ見ても、やはりよく分からないという方も多いでしょう。私たち個人にとってのメリットを簡単に言うならば、?金融商品の種類や数が劇的に増える、?あらゆるサービスの質が向上する、?様々な取引やサービスのためにかかる手数料が安くなる、等が考えられます。これらはいずれも大きなメリットになります。例えば新外為法が施行されれば、海外の金融機関に口座を開設してより高い収益性を追求できるようになりますし、海外でのクレジットカードの利用代金が外貨のまま決裁できたりするわけです。しかし、やはり大きいのは国内外の金融機関の競争と規制緩和・撤廃によって、これまでにない金融商品やサービスが登場するであろう点です。ただし、新商品の中にも、いわゆる預貯金の類ではなく、投資信託のような実績分配型で元本保証のない商品や仕組みの複雑な商品も多く含まれることが予想されます。例えば、銀行でも投資信託を販売するわけですから、銀行商品=元本保証というよ