んという単純な発想法なのです。
従って、日本の社会も、竹中先生がおっしゃるように、完全にトランスペアレントな、100%の資不市場であれば、恐らく日本の社会も、10年、20年を待たずして、ヨーロッパ的な様々な問題を抱えてきます。そのような社会に移らざるを得ないわけですけれども、文化と政治的なスタイル、バックグラウンド・土壌が違います。アジアも同じような苦悩を抱えているわけです。ただ、そういう面でどうするかというのは、これからの大きな問題だと思います。
○司会 ヨーロッパのクラブとして発足したOECDの立場からお話を伺って大変参考になったと思います。ヴァイゲルトさん、ドイツの立場から、どうでしようか。
○ヴァイゲルト ありがとうございます。私はただ次のことを強調したいと思います。
ヨーロッパ、そしてヨーロッパの統合を見ていただければ、ジョン・ウォーリー氏が先ほど言っていたグローバライゼーションと社会パターンのクラッシュ、衝突が、リージョナル・レベルでも起きています。リージョナライゼーション、地域主義の推進とそういうた社会パターンとの間に衝突がみられます。いずれの国においても、あと数カ月もしたらEMUに加わりますけれども、そういった国はすべて異なった税制を持っており、異なった社会制度を持っており、異なった文化、異なった考え方・国民性、経済政策その他もろもろを抱えています、そして、私たちは、将来的には如何にしてこれらを管理していけばいいのかを考えなければなりません。
竹中先生は、市場と技術というグローバライゼーションの2つのフロンティアの話をされました。その中で最も大事なのは、実は規制というフロンティアではないかと思います。規制は、今までのところ、国内の、またおそらく地域の中におけるフロンティアでありました。非常に古くからの規制があり、その中で市場の世界レベルにおいての開放性、世界規模での競争、そして世界規模の技術知識があり、一方政治的組織があってクラッシュしています。これは将来の大きな課題だと思います。
ドイツの立場から申しましたが、我々ドイツは、この課題に最も大きく関わっています。ありがとうございました。
○司会 ちょうど時間になりましたけれども、田中さん、手を挙げていますが、これを最後の発言にしますから、簡単にお願いします。
○田中 今まで話が余り出なかったと思うのですけれども、グローバリゼーションによる世界的な企業集中、要するにモノポリーの傾向について伺います。特に、これからインフォメーションネットワークの時代になって、フェアトレードの観点からいえば、アメリカは非常に厳しい。日本はそれほどでもないの